深夜メガネ

スタートアップが好きです。

eventregistとpeatixの戦略差が面白いという話

 

こんばんは。深夜メガネです。

さて、イベント管理サイトっていっぱいありますね。everevo / connpass / ATND / doorkeeper / tixee... 小さいものある業界だけでやたら使われているものを含めればよくわからない程沢山あります。その中でもパイオニアとして目立っているのが「eventregist(イベントレジスト)」と「peatix(ピーティックス)」かと思います。

 

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偶然でしょうか、この2つのサービスが近い時期にリリースを発表しておりました。

 

イベレジは広告を、peatixはコミュニティ機能を「アドオン」

 

ざっくり言うと、イベントレジストは広告機能を強化、peatixはコミュニティ機能を付加しました。

 

フリークアウトと提携してイベント集客広告を強化したイベントレジスト

 

まずはイベントレジスト。イベントレジストは従来からデジタル広告に強いフリークアウト社と資本業務提携を行っていました。

時間はかかった感じはありますが、この取組みが身を結んだのでしょう。「オンラインでの告知や集客にユーザーデータを活用してより効率的に広告表示をする」ということですかね。

具体的には多分こういうことじゃないかと想像しています。

まず、イベレジでは当然ながら大小色々なイベントが存在します。その中にはセミクローズ〜オープンなイベントが多いはずです。そういうイベントは集客に苦労、または「もっと人が来てくれたらいいのになぁ」という状況が多いものです。

一方で、イベレジ側は数千のイベントデータがあるので、いわゆるビッグデータ(数千くらいなら「ビッグ」なのかどうかわかりませんがそう呼んでおきますね)が溜まって、こういう条件なら人が集まりやすい、このイベントに興味がある人はこっちのイベントも興味がありそう、みたいなデータが集まってきます。

そしてフリークアウトは言わずと知れたネット広告の会社(難しくてよくわかってないですが笑)。ターゲティングができれば広告を効率よく配信することができます。

こんな感じですかね。

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要するに「イベント集客に困っているなら、イベレジが広告お手伝いしますよ!」ってことですね。

従来インターネット広告代理店が担っていた領域をイベレジが代替していますね。これからの広告代理店はこういう機能と連携して効果的・効率的に広告配信できるようにしないときついかもですね。

 

コミュニティ機能を強化するpeatix

 

一方のpeatix。こちらはイベントを中心としたコミュニティ機能を強化するようです。

事業転換(ピボット)って言われてますけど、ピボットじゃなくて機能のアドオンのような気がしますけどね。まぁ呼び方はどうでもいいです。

コミュティ機能と言いましたが、正式には「グループ機能」という名称で「興味/関心事などのテーマや、特定のアーティスト、ライブハウスなどの個人・団体を中心に、人が集まることができる機能」とのことです。

さて、あるイベントが2回目、3回目とやるには、Facebookでイベントページなどを作成してコミュニケーションをとる事が多かったように思います。

ざっくり言うと、オフライン関係はpeatixで、オンラインの活動はfacebookで活動しなければならなかったわけですね。

それが今回のpeatixのグループ機能、即ちコミュニティ機能の付加により、peatix上でオンライン活動もできるようにし、継続的なコミュニティ活動をしてもらえるようにしてもらおう、というのが今回の趣旨だと理解しています。

 

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こうすると、ユーザのpeatixへのコミットメントが増すので、ユーザがpeatixプラットフォーム上にいる時間が長くなります。そうすると広告効果が高くなったり、peatixで開設されている別のイベントに誘導しやすくなるといったことが起きるので、peatixはこれからそういうことを施行していくのでしょう。

 

ここからはさらに感想ですが、日本においては、アーリーアダプターというかITリテラシーの高い層のfaebook依存度はびっくりするほど高いです。ので、facebookネットワーク効果や効率性というものがすごく高い、逆から言えばそのポジションを奪うのはものすごく大変かと思います。そのあたりpeatixがどう攻め込んでくるかは、今後注視したいところです。奪えたら効果は大きいと思いますけどね。

 

最終的には似てくる気もしますけどね

 

イベント系のビジネスモデルはお互いがお互いを真似できますので、最終的には似たような機能を備えてくると思います。同じゴールに対して右から行くか左から行くかの違いだと思います。とすると、そこまでこけないことが重要ですし、ブランディングも重要になってくるかな、と思います。ビジネス系のイベントならここ、ライブならここ、みたいな感じですね。

イベント市場はどこが大きいのかわかりませんが、取りたい市場に対してのブランディングが重要になってくるでしょう。今後どのサービスがどこの分野に強くなってくるのかも興味深いですね。

余談ですが、インタビューなどで「うちはこの分野が強い」みたいな主張もたまに見ますが、市場からそういう風に認知されているサービスは無いように思います。とすると、まだまだ逆転というかポジションが変わってくることは大いにあると思います。

 

ではでは深夜メガネでした。

おやすみなさい。